『24年前から「親業訓練講座」で子育て支援』

千葉県から 東金市教育委員会生涯学習課:大木 康弘さん

東金市は千葉県北東部、九十九里平野のほぼ中央に位置し、人口約6万人の市です。
よりよい子育て環境をつくるには、学校、社会、行政の連携が必要となります。東金市においては、子育て環境をよりよくするため努力をしています。そのために子育てに悩む親の相談対応、子育て支援グループに対するサポート事業などを行っていきます。

<評判が口コミで広がる>

親業訓練講座は、よりよい子育て環境をつくるための事業の一つとして、早い時期から着目しています。現在は6時間で行なう「入門講座」と、24時間の「一般講座」の二本立てで行なっています。参加者の子育てに役立つことはもちろん、この地域における子育ての関心の増大や、家庭における教育力の向上につながればと期待しています。
私が業務を担当し、4年になりますが、親業は市内のお母様方の間で以前から評判になっていたようです。私の母も口コミで親業訓練講座について聞いて来たらしく「素晴らしい講座だからぜひ受けてみたい」と言っていました(母は卒業生です)。
受講生を募集する段階になると多くの方からお申し込みがあります。入門講座に参加された多くの方が「更に学びたい」と言われています。一般講座の受講生はほとんどが入門講座を受講した卒業生です。私自身も講師の先生のお話を聞く機会にも恵まれました。子育て真っ最中の方なら誰でも悩むことを話題にしており、時には笑いが起こることもありますが、涙を流されることもあるようです。受講後はどの方も充実した様子で、講師の方に熱心に質問される光景も見られました。
講座を受講した方々から感想文を提出していただき、毎年、体験文集「ひまわり」を作成しています。その中には、「何より親業の考え方に感動した、すごい。今までどんな育児書にも書いてあったことはない」「子どもが自分で考えていることがわかり、感動して抱きしめたくなった」「子どもも尊重されるべき人格を持つ一個の人間であるということを考えた」「頭ごなしに怒鳴ることがなくなり、子どもを包容できる自分を好きになった」「親子関係だけでなく、私自身の考え方、心に大きく影響した」「いずれ主人にも参加し知ってもらい、一緒に親業をやりたい」など、どの感想文からも充実した様子が感じられます。

<親が生き生きしてきた>

また講座終了後に、フォローの会がいくつか結成されています。月1回のペースで集まり、子育てについて互いに話し合って情報を共有し、学習会を催しているようです。その集まりに積極的に参加している方々の姿を見かける度に、講座で学んだことを本当に活用していただいているんだなと感じます。
参加されたどの方からも生き生きとした様子が伺えるので、担当者としてこの業務に携わることができて本当に良かったと思います。
来年度以降も東金市で親業訓練講座を開催することになると思います。今後とも子育てに悩んでいる方々に対し、担当者としてお役に立てることができれば素晴らしいなと考えております。

【東金市の取り組み】

子育て支援事業に親業訓練講座を導入。毎年一般講座を開催し市民に好評を得ている。平成15年度からは年に2回ずつ入門講座も開催。参加希望者は定員を上回り抽選になることもある。毎年、講座終了後、参加者による文集を作成。その他、市内家庭教育学級等での親業講演会を開催している。

東金市サイト: https://www.city.togane.chiba.jp