親業訓練協会設立40周年記念 特別講演会
「子どもが大人になった時の幸福力を育てる親子コミュニケーション」のご報告

お陰様で、親業訓練協会は今年で40周年を迎えました。
2020年10月11日10時〜12時、アルカディア市ヶ谷において、講師に明治大学文学部教授・教育学博士の諸富祥彦先生をお迎えして、特別講演会が開催されました。
今回はオンライン配信もあり、会場48名、オンライン152名合計200名のご参加をいただき盛会となりました。多くのご参加を感謝申し上げます。

【挨拶】

講演会の様子

親業訓練協会 会長 高木 幹夫

コロナ禍における開催にあたり、直接の「コミュニケーション」がはばかられる今。だからこそ実は尚一層の丁寧かつ、強いコミュニケーションが求められている。そのための親業であり、諸富先生のお話を参考にしたい。40年から先もどうぞよろしくお願いいたします。

【ビデオメッセージ】

Gordon Training International CEO Ms. Linda Adams
(米国GTI CEO ゴードン博士の奥様)

講演会の様子

40周年おめでとう!私もとても嬉しい。初めに近藤千恵と会ったとき彼女の言葉に深く感動したことを覚えている。「PET」に相当する言葉がなく「親業」となった。これまで日本で15万人を超える人にゴードンモデルを伝え、学んだ人たちへ大きな影響を与えたこと深くに感謝します。18年前他界したゴードンはとてもユニークな人でした。
とても大切なことは、「子どもが親から受ける扱い」。何百万の子どもたちが、ゴードンモデルを学んだ人から育てられているということが意味深い。他にも女性の権利、役割にとらわれない生き方を学ぶETWにも触れておきたい。
2020年は誰にとっても困難な年。でもゴードンモデルを知っている我々は、自分の心と他者の心と向き合うためのスキルがある。このスキルで必ずや難題を乗り越えて行けることでしょう。今日の日が素晴らしい日でありますように。

【特別講演】
「子どもが大人になった時の幸福力を育てる親子コミュニケーション」

明治大学文学部教授・教育学博士の諸富 祥彦 先生

講演会の様子

まず一番に伝えたいことは「なりふり構わず親が幸せになる」ということ。親が幸せになろうとしている姿を見て自分もそうなろうとする。二つ目に、「家庭で弱音を吐くことの大切さ」今、学校は戦場である。いじめられた経験のある子、いじめた経験のある子、ともに90%であるという事実。それに加え、今はスマホによる既読スルーやLINE外し等、子どもは家に帰ってからも戦いが続き気の休まる暇がないのが現状。だからこそ、家は弱音を吐ける、ほっとする場であってほしい。共感し、子どもの話を聞いてやってほしい。親業を学んでいる皆さんならできますね(笑)弱音を吐ける子どもになるためには、親が弱音を吐いているところを子どもに見せていくこと。大人でも弱音を吐くんだ。吐いてもいいんだ。と思わせる。
加えて今、大変なのは、子どもの結婚。どちらからもアプローチを待っている状態。これじゃあ、永遠にカップルにはなれない。コミュニケーション力を育てたい。女の子には自立心、男の子にはレジリエンス(復活力)。今回のテーマにもあるように、これからを生きる子どもたちは、我々の育った頃とも今とも全く違う社会と時代を生きていく。強くしなやかな大人にしていくには、自分は自分でいいのだと思える感覚。それには、大人が日々の生活を楽しみ、日常を頑張る自分を認め、大丈夫だよと言ってあげること。さぁお隣の人にも言ってあげましょう(笑)
と、開始すぐから近くの人同士のグループでのやり取りを取り入れ、大いに笑いあり、涙あり!心に沁みるお話の数々。今後の活動の励みとなりました。

<親業訓練協会>