2020年 教師学研究会特別企画のご報告

実践者の声を聞く

「教師学に出会って私はどう変わったか?」

2020年10月10日(土)17時〜20時、教師学研究会と親業訓練協会共催による特別企画が、親業訓練協会恵比寿セミナールームで開催された。例年は夏に「教師学事例研究会」として実施していたが、本年度は翌日の「協会設立40周年記念講演会」との連続企画として、看護ふれあい学研究会とのコラボ形式で実施した。
講演会は新型コロナウィルス感染防止の観点から参加者・発表者の安心安全を第一に考え、会場とリモートによる実施となった。
結果的には、全国から多数のリモート参加者があり、発表者の実践に対し多くの感想や想いが寄せられた。

発表(1)

「生徒指導の変遷―」

事例発表(2)(野坂 二千男氏)

野坂 二千男(大東文化大学特別講師)

47年前の高等学校での教師生活のスタートから、現在の大学講師生活に至るご自身の生徒指導の変遷を以下の3期に分けて話された。

  1. 殴って生徒を動かしていたころ
  2. 教師学に出会ってからの努力と変化
  3. 大学生や同僚に教師学を伝える

【アンケートから】

失敗や苦しみも自己開示されていて、教師学に出会われる前と後が強く心に残りました。

「これじゃダメダ!」という深い気づきの言葉、そして最後の「学びに終わりなし」という言葉に感動しました。

教師の世界は閉ざされた印象を持っていますが、その中で親業の教師学が多くのところで活用されていて、現場も変わってきていると思えました。子どもたちを教師も含めた地域、家族が一緒になって考えて行けたらいいですね。力でコントロールしていた時代から自由な雰囲気の中で、自分で見つけていけるような学びの場になったらいいですね。

発表(2)

「本当の指導力とはー教師学の効果と魅力」

発表(2)(園元恭子氏)

園元 恭子(鹿児島純心女子中高教諭)

教員スタート時から生徒に対する愛情はあふれていたがそれを上手く伝えられず、結果的に不登校の生徒を出してしまったという苦い体験。そんなとき「教師学」と出会い、その具体的なスキルを自分のものとするために、教師学一般講座を10回、上級講座を3回受講したこと。学び続ける中で徐々に同僚の理解が得られ、現在はゴードンメソッドの輪が生徒・教師・保護者に広がっていると鹿児島からリモートで話された。

【アンケートから】

園元さんが半端なく学び続けられていることにおどろきました。わたしは自己開示をしていないことがよくわかりました。

園元さんが長年構築されてきた学びの時間と周りの方々との信頼関係にはまず宣伝・Try & Error・学び続けていくこと・感動しつつ励ましになりました。熱血と言われる教師も自責の念があり悩むのだろうということを改めて知ることができました。

「私はこうありたい!」の宣言のわたしメッセージ。不適切だったらあやまる。自分の言葉は文字にして検証する。自分がうまく使えないことを知っている。「力は使いたくない。私は変わりたい」の園元さんのことばに多くの学びをいただき感謝申し上げます。

園元さんの苦悩をうかがって自信がえられました。今の私の課題のわたしメッセージをもう一度考え直したくなりました。わたしもゴードンメソッド愛を押し出していこうと思います。

グループディスカッション

お二人の発表を聞き、会場参加者は少人数のグループに分かれ、感想や質問を出し合った。その間はリモート参加の皆さんには画像のみの配信となったが、最後のまとめは園元さんへの質疑等を含め再度全員でシェアすることができた。

グループディスカッションの様子

【会場参加者の声】

大勢の子どもと常に向き合っている教師は行動の四角形をそれぞれに持って対応するということが何より大切だと改めて感じた。第1法あるいは第2法になりがちなので常に第3法を意識するよう心がけたい。

先生方の情熱にヤケドしそうな勢いだった。園元さんの実践では教育課程のどの部分に位置づけられているのか(特活がないようなので総合の時間になるのか?)・・・よくわからなかったが、私立ならではの良さが出ているので公立は公立の良さを生かした実践ができるとよいとしみじみ思った。

野坂さんのお話も園元さんのお話も相手(生徒)を大切に一人の人間として尊重の念を持って(それが根底にあって)接しておられることをとても感じた。

野坂さん、園元さんお二人の生徒を思い学び続ける熱意からエネルギーをたくさんいただいた。また、周囲にゴードンメソッドを広く伝えていく地道な努力もぜひ見習いたいと思った。

グループディスカッションの様子

【オンライン参加者の声】

カメラが発表者にフォーカスされていて、とても見やすかった。

グループディスカッションの間に夕飯の支度などもできて、アンケートも書いたりした。待ち時間はそんなに苦痛ではなく最後までオンライン参加できた。

オンラインにしていただき、こちらにいながら、先生方の実践をお聞かせいただき、パワーをいただきました!!!!

(教師学研究会:実行委員)