2022年教師学事例研究会のご報告

―教育とコミュニケーション力(りょく)―

教師学で
生徒も自分も もっと好きになる!

今年で20回目を迎えた教師学事例研究会。昨年に引き続きオンライン形式で、8月28日に実施しました。昨年の事後アンケートには「オンラインだと地方からでも参加しやすい」という声が寄せられましたが、その声の通り今年は日本各地から昨年を上回る66名の申込がありました。
4名の発表者からは、「教師学」講座で学んだことを活かしての実践が報告されました。みなさん、「教師学」を知っていたからできた対応とその後の振り返りまでを丁寧にまとめて発表してくださいました。
参加者は各発表後にグループに分かれてディスカッションを行いました。限られた時間ではありましたが、発表内容に対する質問や感想などが出され、参加者全員で共有し、学びを深めることができました。

< 実践者の事例発表 >

I.広島県公立小学校教諭 吉森 朋子さん
●児童が自分で解決策を考えられるように支援するプロセスコンサルタントで対応した事例
●コロナ禍での保護者の思いを能動的な聞き方で対応した事例

II.神奈川県中学受験予備校職員 根本 ゆかりさん
●保護者の価値観に影響を与えるコンサルタントで対応した事例

III.神奈川県私立女子中高一貫校教諭 工藤 吉猛さん
●生徒が自分で解決策を考えられるように支援するプロセスコンサルタントで対応した事例

IV.岡山県公立高校教諭 目崎 浩子さん
●教師と生徒の欲求の対立をどちらも負けない解決方法である勝負なし法で対応した事例

< 参加者の声(アンケートより一部抜粋) >

講座に参加して、現場で実践しても、すべてうまくいくとは限らないし、また、うまく使えているか自己流になっているかもしれないので、このように取り組んだことを振り返り、見直していくことは大切だと感じました。

やはり、信頼関係を築くことにおいては、コミュニケーション力は欠かせないものであり、そのコミュニケーションは自分が学んで体験して実践できることになるのだと確信しました。

子どもの力を信じて、発言する機会、やってみる機会、振り返ってみる機会など、そういった機会を設けることで子どもは伸びやかに生き生きと生活できるんだと。楽しいと感じられる時間を過ごせるのだと感じました。

ヒトは大切にされて主役(主体的)になれれば能力が発揮できるのだということが、今年の事例からも確信できて、勇気をいただけました。

急なコロナ禍の現場の苦労を初めて聞かせていただきました。

子ども自身が「自分で考えながら自分で解決する」ことができた時に、大きく成長していく様子がどの事例からも伝わってきました。「能動的な聞き方」や「わたしメッセージ」、「勝負なし法」などで丁寧にコミュニケーションを図ることが相互理解や人間関係を築くことにつながるだけでなく、「困ったときには味方がそばで自分の問題を奪わずにサポートしてくれるんだ」という大きな安心になるのだということについても改めて考える時間となりました。

できるようになったことを振り返り、生徒に自分自身での成功体験を感じさせることで、自己肯定感をもたせることが大切だと感じました。

技術と共に心のあり方・姿勢に着目できた時間でした。

他の人がゴードンメソッドを知らなかったり、理解していなかったりしても、あきらめることなく教師学の方法を実践しておられることを知り、今後、自分が学ぶと同時に、周囲に広げていくことの大切さを改めて感じ、実践していこうと思いました。

初めての参加でした。自分が意見を言っても、グループの皆さんが温かく受け止めてくださるような雰囲気を感じました。これが一番印象に残っています。

(文責 教師学事例研究会実行委員会)