トマス・ゴードン博士

GTI(Gordon Training International)

親業訓練講座(PET)は1962年、米国の心理学者、トマス・ゴードン博士によってはじめられました。最初は非行少年などの治療が主目的でしたが、問題児が出るのは問題親がいるからであるとの視点を明確にし、親に子への適切な接し方を教えることで、問題が起こる芽をつもうという面が強調されるようになりました。

現在では中流階級から低所得者層まで、全米100万人以上の親が受講し、1975年3月14日付のニューヨークタイムス紙によれば、「全国的な運動」と評価されるまでになりました。親業訓練の指導者も全米で5000人にのぼり、ニューヨーク州その他で教育免許の正式な単位のひとつに加えられています。1970年に開催された「子どもに関するホワイトハウス会議」における報告書には「家族崩壊を防止する新しいモデル」として推せんされました。

●リンダ・アダムス(Linda Adams)

リンダ・アダムス

カリフォルニア州立大学ロスアンゼルス校で社会学修士号を取得。女性問題に関して幅広い研究をしている。
親業訓練(P.E.T)の創始者、トマス・ゴードンと結婚。
現在、Gordon Training International(GTI)会長。
「自分らしく生きるための人間関係講座」(大和書房)(旧タイトル「女性のための人間関係講座」)の著者であり、自己実現のための人間関係講座の指導者として活躍中。

●トマス・ゴードン博士(Thomas Gordon)

トマス・ゴードン博士

シカゴ大学で博士号をとったあと、同大学で5年間教鞭をとりました。のちにカリフォルニア州で臨床心理学者としての研究と仕事をしながら、1962年に「親としての役割を効果的に果たすための訓練=親業訓練」(PET)を開始し、カリフォルニア州心理学会長をつとめ、前述の「子どもに関するホワイトハウス会議」にはコンサルタントとして出席。親業訓練だけでなく、教師を対象とする教師訓練(TET)、会社など組織内の上司・部下の関係に焦点を合わせたリーダー訓練(LET)、青少年のためのプログラム(YET)、更に婦人のための訓練など多様な訓練プログラムを開発、実施し活躍されました。

全米心理学財団から1998年には長年の心理学の分野での功績に対しゴールドメダルを授与されました。
(2002年8月 没)

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トマス・ゴードン博士ホームページ
Gordon Training International
http://www.gordontraining.com/

【米国における研究結果】

親子関係を改善し、青少年犯罪や非行を予防するプログラムとして効果的であることが認められ、親業訓練は大学での学位論文をはじめ、病院や青少年センター、精神衛生研究所など各種研究所で、その方法と訓練効果についての研究が多数なされており(1970年から1980年までに43の論文が出ているが、うち博士論文は27にのぼっている)次のような成果が顕著なものとしてあげられています。

子どもの変化
(1)
よく勉強するようになった。
(2)
親に対してより受容的になり、拒否的でなくなった。
(3)
自尊心が高まった。
(4)
学業不振であった子どもたちが1学期から3学期にかけて十分な成績を取るようになった。
親の変化
(1)
親としての自信が高まった。
(2)
親と子の相互理解度・相互信頼度が高まった。
(3)
自分自身のことがよくわかるようになった。
(4)
子どもに対する信頼と自立を許す気持ちが高まった。

これらの報告は、PETが親子関係を改善し、健全で温かい家庭づくりに多大な効果をもっていることを明らかにしています。

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